2013年06月22日

ゼロからトースターを作ってみた

 最近読んでおもしろかった本です。
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「やぁ。僕の名前はとーマス・トウェイツ。この度、僕はトースターを作ったんだ。時間にして9カ月、移動距離にして3060キロ、そして金額にして1187.54ポンド(約15万円)をかけて。」
(ゼロからトースターを作ってみた:まえがき)


 原題はThe Toaster Project タイトル通りイギリスの学生が、一人で、原材料からトースターを作るプロジェクトの記録です。

 何しろ、金属材料は採掘から始めるので、非常に困難で気の遠くなる話ですが、、身近に実践できる科学的手段の解説や文明や環境問題に対する考えについて、適度なユーモアを交つつテンポ良く進むので、面白く読めました。

 この本の何に惹かれたかと言うと、自分一人では安物家電一つ作れないという現実に本気で立ち向かったというところです。

 生活が便利になって、安価に物が手に入る。そんな製品であっても多くの部品から構成されています。技術の累積的進歩の結果です。しかし、そんな先人の偉業に対し、自分の貢献はゼロであることに空しさを感じることがあります。しかして、そんな部品一つ一つに思いをはせて、いちいちゼロから自作しようなどと考えたら、たちまち病んでしまうでしょう。実際にそんな空想をして、すぐに考えるのをやめたことは誰でもあると思います。

 だから、これに向き合って、やり遂げた筆者はすごい。

 手段は、はっきり言って荒っぽいし(電子レンジで金属を溶かしたり)、後半は大胆な拡大解釈のもとに若干妥協するのだけれど、確実に僕が考える、個人でできることとできないことの枠を広げてくれたし、自分と無関係にどんどん先に行ってしまいそうな技術の累積的進歩に正面から逆らいに行くような感じがして、痛快な本でした。


 その完成品のデモンストレーションの動画

はたしてプロジェクトは成功したのか?

 筆者のブログ
http://www.thomasthwaites.com/
他にも何やらいろいろやってます。 



ゼロからトースターを作ってみた [単行本] / トーマス・トウェイツ (著); 村井理子 (翻訳); 飛鳥新社 (刊)
まえがき
第1章 解体
第2章 鉄
第3章 マイカ
第4章 プラスチック
第5章 銅
第6章 ニッケル
第7章 組み立て
エピローグ 「ハロージャパン」


posted by eatsoba at 08:11| Comment(0) | おすすめ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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